僕は自分の家が好きでね、
帰り道の時点でどうくつろいでやろうか、
どうベッドの上にある抱き枕をいたぶってやろうか、
考えながら家路に付いているわけですよ。

何をつまみに晩酌しながら、
どの録画したテレビを見ようかと、
はたまた音楽やラジオを流しながら読み物をめくってみたり、
skypeでおしゃべりしながら足の裏を揉んでみたりするなどを考える。
自分が部屋の主という感じが好きなのだ。

よく、部屋が散らかっている時はテンパっている時と言いますが、
ナガハマ邸もここ最近散らかっていましたので、
これはまずいと思い部屋を片付けたら、
やはり脳みそから内臓からが理路整然とした気持ちになって、
まさかまさかの僕の部屋からマイナスイオンでも出ているのではないか、
いや、マイナスイオンという存在に僕は懐疑的ではあるのだが、この際あることにしておこう。
部屋全体の巡りが良くなった気になって、より一層自分の部屋が恋しくなりました。

部屋というのは女性と一緒であります。
恋しくなると、匂いを求めてしまうものなのです。
僕はこれまで使っていたファブリーズだけでは飽き足らず、
アロマ的なものを置いてみて、さて、今日はどんな匂いで僕という主を迎えてくれるものかと、
僕の至福の時間はもうすぐそばだと、胸を高鳴らせて玄関のドアを開けてみたものですが、
前日の夜に捨てた鶏ささみの腐った匂いが蔓延してた。おやすみ。